筋肉エトセトラ

筋肉に関することならなんでも

運動単位

カラダは脳からの指令によって、筋肉が収縮、骨と骨をつなぐ関節を動かすことで運動が行われています。

脳からの指令はまず脊髄を通って、運動ニューロンと呼ばれる骨格筋を支配する神経細胞を経て筋肉に達し、筋肉が収縮するようになっています。

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この運動ニューロンからの刺激は、数十から数百以上もの筋繊維を同時に収縮させるのですが、この筋繊維のまとまりのことを「運動単位」といいます。

つまり筋肉とは、この「運動単位」が多数集まって構成されているのです。

この運動単位には構成される運動ニューロンのタイプによって「FFタイプ」「Sタイプ」「FRタイプ」という3つのカテゴリに分類されます。

FFタイプは、サイズが大きくて速く収縮するのですが疲労しやすく、動員される筋繊維が白筋繊維となっていて、それに比べてSタイプはサイズが小さく収縮が遅く疲労しにくく動員される筋繊維は赤筋繊維となっています。

FRタイプは、このFFとSの中間にあたるタイプとなります。

股割りは凄い

股割りというと、すぐに思いつくのは相撲じゃないでしょうか。 力士が四股を踏むときの基本的な動作で、最近では科学的なトレーニングが全盛期となっている中でも、日本の国技でもある相撲では、四股踏み、股割りが基本的な動作としてあり、その応用としてすり足やてっぽうなどの稽古が行われています。

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まぁ、相撲は古い体質だから、トレーニングにおいても遅れているんだろ?なんて思った人は、大きな間違いですよ。 実は、古来から行われてきた股割りには、様々な効果が認められているんです。

そもそも股割りというのは、両足を大きく開き、しっかりと腰を落とすというのが基本動作なのですが、これによって太ももの前面の大腿四頭筋や内転筋などの筋肉が鍛えられますし、股割り自体が、腰や膝に負担のかからない運動なので、筋力のない方や高齢者であっても安全に行うことができるんです。

しかも股割りというと柔軟性をアップさせるためだけのトレーニングだと勘違いされがちなのですが、実は股割りにはスポーツパフォーマンスを向上させるために重要な 腸腰筋(ちょうようきん)という筋肉を効果的に鍛えることができるんですよ。

この腸腰筋には、背骨を中心とした上半身の体幹を安定させ支える役割があって、上半身と下半身を結ぶ重要な筋肉ですし、下腹部のぽっこりお腹・冷え・むくみ・便秘・肩こり・腰痛などに関わるのが腸腰筋だと言われています。

この腸腰筋が衰えてくると、骨盤が後傾し体が支えられなくなり猫背になったり、姿勢が悪くなっていきぽっこりお腹の原因ともなりますし、骨盤が歪むことで神経や血管が圧迫され血流が悪くなり冷え浮腫みに繋がります。

昔ながらの基本動作とはいえ、ここまでずっとやり続けられるということには、しっかりとした考えがあるからなんですよ。

体力の要素

体力というのは、筋力、パワー、スピード、敏捷性、柔軟性、持久力など様々な要素で構成されていて、発育段階に置いては各要素をバランスよく鍛えていくのがよく、成人になっても健康維持という観点から各要素のバランスを見ながら鍛えていくことが理想的です。

しかし、スポーツということを考えるとそれぞれの競技において特性があり、バランスよく鍛えるということが当てはまらない場合があります。

f:id:hmbsoku:20180723143014j:plain 特にわかりやすいのが、短距離走長距離走の選手の筋肉の違いで、短距離走であればパワーが必要となるので、強く速く収縮するけれど疲れやすい白金繊維が優位な身体となっていて、長距離走の場合は、収縮速度は遅いけれど疲れにくい赤筋繊維が優位で細身な身体となっています。

世界陸上などの陸上競技をみていると、顕著に現れていますよね。

100m走で上位を占めるような選手は、大抵大柄であったり筋肉隆々でひょろっとした選手はほぼみかけませんし、マラソンなどの長距離ランナーをみてみても、例外なくほっそりと、もっと言えば、細すぎるくらいの選手ばかりで、筋骨隆々な選手はほぼいません。

いわばこれらはすべてスペシャリストなわけで、「キング・オブ・アスリート」「競技者の中の競技者」と言われる十種競技がいかに凄いスポーツなのかがわかるかと思います。

なんといっても、 100m走、走り幅跳び砲丸投げ走り高跳び、400m走、ハードル走、円盤投げ、棒高跳びやり投げ、1500m走すべてで戦うんですから、その鍛錬たるや想像に絶しますよね。

パワーもスピードも必要になってくるんですから、鍛え方が難しいでしょうし、まさにバランスよく鍛錬しなければなりません。

なので、もっともっと十種競技は、人気・知名度が上がってきてもいいとは思うんですけどね。 ちなみに英語ではデカスロン(decathlon)って言いいます。